加賀一の宮行き429列車は12:27発定刻に野町を発車しました。
以前との大きな違いはアテンダントと称する女性係員が添乗していることです。8月2日付けの中日新聞石川版によればアテンダントの乗車は『国の緊急雇用対策事業「ふるさと雇用再生特別基金事業」を活用し、白山市が北鉄に委託し』て実現したとのこと。女性5人が採用され、『午前9時ごろから午後4時半ごろまで』乗り込みます。途中駅は鶴来以外は無人駅なので案内放送や補充券の発券に少々忙しいようでした。
(写真は加賀一の宮駅で折り返しを待つアテンダントさん)
話を戻します。野町を発車すると北陸本線との接続駅新西金沢などを経て住宅地を縫ってゆっくり、しかし横揺れしながら走っていきます。程よく効いた冷房と揺れが眠気を誘います。
古びた団地が並ぶ額住宅前で野町行き電車と交換。行き違いにかかる時間は短く、能率よくダイヤが組まれています。相変わらず住宅地を走って四十万(しじま)着。この駅を出ると白山市となり田園風景がしばらく楽しめます。
やがて茶色の電気機関車を両側に見ると鶴来駅に到着です。
この鶴来から加賀一の宮までの2.1kmが今秋の廃止予定区間となります。しばしの停車ですぐに発車。駅を出ると徐行で右急曲線をやり過ごし、手取川七ヶ用水(しちかようすい)という小さな川を跨ぐとすぐに左急曲線という列車にとっては苦しい線形の区間です。ゼンマイが切れるように中鶴来に停車。発電所の水流を横目に七ヶ用水沿いにしばらく走り、終点加賀一の宮着。鶴来からここまでの沿線には三脚を立ててカメラを構えた鉄道ファンの姿が何人か見られました。終点まで乗りとおした乗客はほとんど全てが鉄道ファンといってよいでしょう。なるほど地元利用客の姿があまり見られないのでは廃止決定も止むを得ません。たまに来る旅行者にとってはのどかな田舎の雰囲気が嬉しくとも、運営側はたまったものではないでしょう。この区間が賑わうのは大晦日から元日の朝にかけて最寄りの白山比刀iしらやまひめ)神社への初詣客を終夜運転で運ぶ時だけと聞きます。
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