急行「ちくま・くろよん」号(大阪−長野「ちくま」・南小谷「くろよん」/東海道本線・中央西線・篠ノ井線・大糸線経由)
使用されている車両は和歌山県日根野電車区の165系で、3連+3連の6両編成です。車両限界が小さい中央西線などで使いやすいようパンタグラフの取り付け位置が少し下げられている車です。
国鉄時代の旅を懐かしむ方にとってこの165系は願ってもない列車ですが一般の利用客は面白くないらしく、以前ある新聞にこの列車のことと思われる投書が載ったことがあります。その女性乗客曰く、何ら車内設備はないし遅い。洗面所の水もろくに出ない。窓はがたがたである、云々と不満が書き連ねてありました。
これで急行料金を取られて途中で新快速に抜かれるなどすれば、それは嫌な気分でしょう。臨時列車の宿命ゆえ、急行と言えるだけの速度も出ません。
そういえばこの列車もそれなりに人は乗っていましたが気だるい空気が流れていたのは確かです。自由席に座ったせいか車掌による「急行券を拝見します」という検札もありませんでした。今で言う「まったりとした」急行電車です。
急ぐ道中でなければこんな列車の旅は好きです。子供の頃から乗り慣れていたから、背凭れが直角になった時代遅れのボックスシートやいかにも便所という雰囲気のトイレなど何とも思わないだけでしょうか。この形式はすでに廃止されてしまったためもはや望んでも乗れない列車です。他の人から見ればおんぼろでも、今でも乗りたい列車のうちの一つです。蓼食う虫も好き好きってやつでしょうか。
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